【社会保険】正社員とフリーランス(自営業)、同額報酬なら社会保険でお得になるのはどっち?

7pt   2018-08-10 21:10
しんちゃんのダイエット速報@2ch


お金に苦労せず、幸せに生きていくことを目指すこの連載。今回は今西えみ子さん(仮名・35歳 ・IT関連会社勤務)の相談をもとに、森井じゅんさんがお答えします。

「35歳、IT関連の仕事をしています。今、働き方について迷っています。というのは、転職というか、今の会社を辞めようと考えているからです。私の業種としてはシステム構築で、求人募集には、業務委託のスタイルと正社員雇用とがありました。で、社会保険の面で相談です。業務委託になると国保です。正社員だと社保・厚生年金です。どちらにメリットがあるでしょうか。前の会社がブラックだったので、フリーランスで自由にやったほうがいいかなと思う面もあります。また、正社員の給与は40万円、業務委託でも月額40万円で収入は同額です。フリーランスになった場合、スマホ代や打ち合わせとしての食費、事務所経費として一人暮らしの家賃の一部も事務所費として計上すると、30万円近くになるはずだから、税金も安くなってお得ではという気もします。

一方で、やはり正社員のほうが社会保険の面でメリットが大きいなら、年齢制限がかかる前に正社員になれる会社に入っておいたほうがいいのかなとも思い……。国民健康保険は高いと聞きますし、不安です。アドバイスいただけると嬉しいです」

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仕事に必要な備品等を従業員が負担する場合、開示が必要なことも

質問者の方は、「35歳なので今を逃したら正社員にはなれないかも」という気持ちがある一方で、フリーランスへのあこがれももっています。そのため、どちらを選ぶかを、お金で得をする方で決めようと考えたそうです。ご自身がフリーランスになった場合、「正社員の給与は40万円、業務委託でも月額40万円で同額。フリーランスになった場合、スマホ代や打ち合わせとしての食費、事務所経費として一人暮らしの家賃の一部も事務所費として計上すると、30万円近くになるはずだから、税金も安くなってお得では」と考えたようですね。

しかし、お給料が月40万円で、その仕事にかかる経費だけで30万円というのは本当でしょうか。お給料が40万円ということは、社会保険料が健康保険料と厚生年金保険料合わせて6万円弱、そのほか、所得税や住民税約3万円の合計9万円ほどが天引きされているかと思います。つまり、手取りで31万円程度になるでしょう。そのうち、例え家賃の一部等も経費に含めたとしても仕事にかかる経費が30万円かかっていて、生活は成り立っているのでしょうか。

もし、会社が負担すべき費用を相談者さんが負担しているのであれば、会社と交渉するなり、転職するなり、個人事業主になるなり何らかのアクションを起こす必要があるかもしれません。30万円の内訳が気になるところですが、一般的に会社が負担すべき備品の購入等を相談者さんが負担しているという事でしょうか?以前もお話したかと思いますが、仕事に必要な備品を従業員が負担してはいけないという法律も、負担させてはいけないという法律もありません。ただし、備品等について一般的な常識を超える範囲で従業員負担とする場合、その範囲を雇用契約や就業規則に記載する必要があります。 

もし、その内容を超えて相談者さんが負担しているようであれば、もしくは、負担させられているのであれば、好ましい状況ではありません。いずれにしても、手取り31万円のほとんどが経費に消えてしまうようでは、相談者さんの「貯金もできるし税金も安くなるのではと思うし、魅力なのでは」というお考えが現実的とは感じられません。

もしかしたら、自分自身にはお金を使っていない気がするのに、なんとなくお金が残らない。すべて仕事関係の出費な気がする、という感覚でお話していらっしゃるのかもしれませんね。いずれにしても、本当にそれくらいのお金が仕事に必要な費用としてかかっているのかもう一度確認してみて下さい。

独身40万円、国民健康保険になったら保険料は?

社会保険の場合は、従業員と会社側が保険料を半分ずつ負担することになっています。つまり、給料から引かれている分は、保険料全体の半額だけであり、残りの半額は会社側が負担してくれています。

相談者さんの情報から推測すると、現在社会保険料の合計は協会けんぽの想定で、健康保険料2万295円、厚生年金保険料3万7515円、合計ひと月約6万円です。つまり、ざっくりと言えば、会社は相談者さんから6万円預かり、そこに6万円上乗せして、12万円を社会保険料として支払っているのです。

健康保険だけで考えると、本人負担と会社負担それぞれ2万295円、合わせて4万円強が保険料として支払われていることになりますね。

「退職後に保険料が2倍になる」などと言われる健康保険料ですが、退職して国民健康保険に切り替えた場合、必ずしも保険料負担が倍増するわけではありません。確かに、社会保険とは異なり、国民健康保険には扶養という考えがありません。そのため、ご家族が多い方などは社会保険から国民健康保険に変更した時にびっくりするほど負担額が上がることもあります。独身で月額40万円のお給料の相談者さんはどうなるでしょうか。

相談者さんが、例えば世田谷区在住で、前年も同程度の給与所得(月40万円で年収480万円)であったと考えると、月2万8000円前後の保険料になる計算です。この場合、月8000円程度負担が増加することになります。倍増とは言えませんが、小さい負担増とは言えないかもしれませんね。

国民健康保険と社会保険の違いは?

国民健康保険と会社の健康保険を利用して医療機関を受診する場合などに関しては、基本的に違いはありません。医療費の負担割合や高額療養費の払い戻しなどは、同じように給付を受ける事ができます。

大きな違いは、会社の健康保険には傷病手当金と出産手当金の給付があることです。傷病手当金は最長1年半、業務と関係ないケガや病気で働けないときに、お給料の約3分の2が給付されるもので、出産手当金はおよそ産前産後98日、お給料の3分の2相当が給付される制度です。また、会社の保険により異なりますが、健康診断の受診負担や各種施設の割引などもあります。これらの給付は、国民健康保険になると受けられなくなります。

フリーランスになる場合の健康保険の選択肢は2つ

もし相談者さんがフリーランスになると決心した場合、健康保険に関して選択肢が2つあります。先ほどからお話している「国民健康保険」に加入するか、会社の健康保険に継続して加入する「任意継続」の2つです。

任意継続は、会社の社会保険を継続できる、と言っても上でお話した最大のメリットである傷病手当金や出産手当金は受ける事ができません。検診や施設割引などの利用は可能ですが、それらを考慮したうえでやはり気になるのは保険料でしょう。任意継続では、退職時の給与レベルに基づいて保険料が決まります。在職中は会社が保険料を半分負担してくれていましたが、任意継続になると保険では全て自己負担になるので、在職中の保険料の2倍が目安となります。ただし、任意継続では上限があるため即座に2倍になるわけではありません。具体的に、相談者さんのケースでは月2万7720円です。こう見てみると、国民健康保険の試算と任意継続の場合の負担額に大きな違いはないようです。 

しかし、実際には、国民健康保険は自治体により運営されており、お住まいの自治体により保険料は大きく変わってきます。本人負担はお住まいの自治体ではいくらくらいになるか、自治体のホームページに計算方法なども記載されているのでチェックしてみて下さい。また源泉徴収票などの情報をもとに問い合わせてみると計算してもらえます。

社会保険の任意継続の注意点

任意継続は2年間で、保険料は原則変わりません。つまり、相談者さんが退職し任意継続を選択した場合、基本的に月3万円弱の負担が2年間続くことになります。一方、国民健康保険料は前年の所得により変わってきます。例えば、フリーランスとして仕事が増え所得が大きくなれば、翌年の保険料も大きくなるでしょう。その場合には任意継続の選択が有利になるでしょう。逆に、所得が下がってしまった場合ではどうでしょうか。国民健康保険であれば翌年の保険料負担は小さくなりますが、任意継続では同額の負担が続きます。

会社を辞めた後フリーランスになると決意し、健康保険をどうしようかと考える際には、今の保険料の比較だけでなく1年後、2年後の状況を考えて選ぶことが大切です。

ただし、退職後にあまりゆっくり考えている時間はありません。国民健康保険への切り替えは退職日の翌日から原則14日、任意継続を希望する場合には20日以内に手続をする必要があります。前もってシミュレーションを行なうなど、しっかり検討してからの行動をお勧めします。

転職か独立か、という判断を社会保険の面から検討したいという相談者さんですが、社会保険は健康保険だけではありません。次回は年金等についてお話していきます。

d8613fdd.jpg社会保険の恩恵は大きいけれど正社員は辛い……その場合の判断ポイントを知ることは重要です。

賢人のまとめ

手取り31万円のほとんどが経費に消えしまうようでは、相談者さんの「貯金もできるし税金も安くなるのではと思うし、魅力なのでは」というお考えが現実的とは感じられません。フリーランスになるとしても、本当にそれくらいのお金が仕事に必要な費用としてかかっているのか、もう一度確認してみてください。相談者さんが不安に感じていらっしゃる国保の場合、所得が増えれば負担額は増え、減れば小さくなります。フリーランスになると決意し、健康保険をどうしようかと考える際には、今の保険料の比較だけでなく1年後2年後の状況を考えて選ぶことが大切です 。

プロフィール

女子マネーの達人 森井じゅん

1980年生まれ。高校を中退後、大検を取得。レイクランド大学ジャパンキャンパスを経てネバダ州立リノ大学に留学。留学中はカジノの経理部で日常経理を担当。

一女を出産し帰国後、シングルマザーとして子育てをしながら公認会計士資格を取得。平成26年に森井会計事務所を開設し、税務申告業務及びコンサル業務を行なっている。

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